今年9月に開催された「スポーツの未来に、僕たちができること」の第2弾が、14日、
新潟市中央区の”クロスパルにいがた”で行われ、参加してきました。

9月の開催についての記事はこちら。
今回は「スポーツやアスリートの価値を考える」というテーマで、
・サッカー 早川史哉選手
・車いすバスケットボール 清水千浪選手
・スペシャル・オリンピックス日本・新潟 谷口博文さん
・アスリートの価値を考える(広告業界でご活躍)五勝手拳一さん
という4名が登壇されました。

アルビレックス新潟・早川史哉選手

左:スペシャル・オリンピックス日本・新潟 谷口博文さん
右:車椅子バスケットボール・カクテル 清水千浪選手
前回はスポーツ”ビジネス”がメインだったイベントでしたが、
今回は、登壇者のお名前、肩書からも、アプローチが全く違うことが分かります。
主催者の遠藤涼介さんは、早川選手(前回は聴講の立場で参加)を軸に、この舞台を設定していったとのこと。
私自身も、複数ゲストが登場する放送や司会(モデレーター)の仕事をする際、
「誰が登場して、どう話を持っていくか」
という文脈作りを行っているので、遠藤さんがこの4名を登壇者に設定されたことに、センスを感じます。

主催の遠藤涼介さん
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さて、登壇者4名のうち、清水千浪選手は、
女子サッカー選手としてアルビレックス新潟・レディースで活動していた新潟に縁の深い方でした。
引退後は、アスリートのトレーナーとなり、
選手を支えるその仕事に大きなやりがいを感じていたといいます。
しかし、ある日食後に「気持ちが悪いな」と思ったことで病院を受診すると、
左の副腎の裏に13センチの腫瘍が見つかりました。
それが「褐色細胞腫」でした。
この大きな腫瘍が副腎に影響を及ぼし、
清水さんは、呼吸停止、血圧上昇、一時心肺停止という、危険な状況に。
人工心臓を用い、一週間で意識が戻らなければ…。ご家族はそのとき、最悪の状況を覚悟したそうです。
しかし、清水さんは見事、意識を取り戻します。そして、入退院を繰り返したのち、回復することが出来たそうです。

とはいえ、足首が動かない、手術の跡も大きく腹部には感覚が無いなど、
「両下肢の機能全廃」(両方の足を思うように動かせない)という重い後遺症が残りました。
その後、清水さんの頭をよぎったのは、
トレーナーとして触れ合っていた”チェアスキー選手”のこと。
清水さんは、当時、その選手を「かっこいい」と感じていました。
その時の思いと、知人から「車いすを借りた」ことをキッカケに、
清水さんは「またスポーツをしてみよう」と考えるのです。
□松村メモ
清水さんが、重度の後遺症を負いながらも、「また」と、スポーツに思いを馳せて、
そこに自分らしい人生を見出そうとしたのは、やはり、もともとのスポーツ体験があったから。
もちろん、それがすべての人にスポーツである必要はないが、
プロレベルである・ないに関わらず、
自分を生きる上での「本当の相棒」を持っていることは、人生を強くする。
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清水さんは、マラソン、テニス…とスポーツにチャレンジしていきますが、
心がグッと動いたのは、車いすバスケットボールでした。
それも、競技の魅力はもちろんでしょうが、
近畿の強豪チーム「カクテル」の、監督や選手のキャラクターが好き、チームスポーツが好き…思いだったそうです。
ここ(=「カクテル」)で生きてみたいという思い。
□松村メモ
こうなりたい、ああなりたい、こうでなくては…ではなくて、
「この人たち好きだな」
という心のありようから行動する清水さん。
心のレベルで動ける、清水さんの自然体が素晴らしいなと感じる。
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清水選手は来年も、日本代表候補として活動することが決まっているそうです。
清水さんは、
「サッカー時代も、意見の違う人もいる中で、同じもの(勝利)を目指した。
考えを発信しないと、自分が気持ちよくプレーできないので、自分を出すことが必要だった」
「障がい者スポーツでは、立てる人、首から下が動かない人…色んな人がいる。
コート上の5人の得意なプレーがあって、チームが成り立つ」
「勝つチームは、障がいを認め合い、一つのプレーをしているチーム」
と話し、
進行の遠藤さんは、
「個性か欠点か。スポーツとは多様性を受け入れること」
とまとめました。
今回は、「できること」というより「したいこと」が沢山見つかりました。
前回以上に名刺交換もしました!笑
「スポーツの未来に、僕たちができること」第三弾は1月に予定されています。