2019年 04月 07日
CINEMA UP 183~テーマ:ラッセル・クロウ『グラディエーター』『インサイダー』 |
FM PORTにて、毎週日曜午後7時~放送中の『中越グループPAN UP』内、
「CINEMA UP」でご紹介した映画のあれこれ。
放送日の4月7日が、ニュージーランド出身の俳優、ラッセル・クロウ55歳の誕生日というところから、テーマは「ラッセル・クロウ」。
①『グラディエーター』(2000年・米)
第73回アカデミー賞で作品賞、そして、ラッセル・クロウは主演男優賞を受賞しています。
ローマ時代の壮大な歴史作品。ローマ好き、『ベン・ハー』好きな私にとっては、非常にワクワクする作品でした。
誰も目にしたことがないその時代や人間の熱さを感じるうえで、
演者のリアリティというのは欠かせないと思いますが、ラッセル・クロウはローマの将軍そのもの。
体の大きさ、クビの太さ、艶、そして、強さ…どんなセットより、CG効果より、コロッセオの歓声より、何よりも、
ラッセル・クロウの姿が「ローマ」を体現しています。
そして、そのラッセル・クロウ演じるマキシマスのオーラに、胸を鷲掴みにされます。
人望が厚く、時の皇帝に見初められたことから、皇帝の息子に恨まれ、命を狙われた挙句、奴隷になってしまうマキシマス。
それでも、徐々に、周りの人間がマキシマスの本物たるゆえんを知り敬意を払うようになっていく。昔の部下も集結していく。
マキシマスという男の強い信念が周りを動かしていきます。
一方で、20年ぶりくらいに観てみて、マキシマスを陥れた新しい皇帝・コモドゥスの哀しみというものも、非常に沁みました。
権力を手にしても、帝国を統治する知恵と人望を持っていない。抗えば抗うほど、事態が自分に不利になっていく。
嫌な奴といったらそれまでなんですが、悲しい人です。
ラッセル・クロウがローマ人になりきっている所で、もう半分勝負ありというくらい、すごい存在感を堪能しました。
②『インサイダー』(2000年・米)
アメリカ公開は1999年ですが、日本公開は2000年の5月、先ほどの『グラディエーター』の公開が2000年の6月、
同じ人かよ!?というほど、内部告発をしたことで追い詰められている男から、ローマの将軍へのふり幅が半端ないラッセル・クロウです。
こちらの『インサイダー』の演技では、アカデミー賞主演男優賞・ノミネートにとどまっていますが、
『インサイダー』の演技もすごいです。
ラッセル・クロウが演じるのは、勤めていたタバコメーカーの不正を社内で意見したことで、「コミュニケーション能力が不足している」という理由で解雇されるワイガンドという、実在の男性です。怖いのは、ラッセル・クロウは内部告発者として暴露する側の立場であったのに、脅され、追い詰められ、自身の過去やプライバシーが逆に暴かれていくというところ。真実が、ありとあらゆる方法で握りつぶされようとされます。
彼は、正義を貫こうと決心するんだけれど、そのせいで家族は不幸になっていく、この矛盾を埋められぬまま疲弊していく様子に、この人はどうなってしまうんだろうかと、非常にドキドキしました。
このワイガンドの証言を番組で放送し、たばこ業界の闇を暴こうと考えるのが、アルパチーノ演じるテレビプロデューサーのローウェル・バーグマン。
情報提供者のことは何があっても守るというバーグマンはめちゃくちゃかっこいいです。後半は、たばこ業界の闇から、テレビ業界の闇へと話が移行し、アルパチーノ自身が今度は「インサイダー」となっていきます。バーグマンの番組のテレビキャスターも、すっごく良くて、結構こういうマスコミものは好きだなぁと思います。
真実や正義というものと権力は常に相反するところにあり、正義を貫こうと思う者が心身を疲弊していく、正義が勝つ世の中が良いですね。
「CINEMA UP」でご紹介した映画のあれこれ。
放送日の4月7日が、ニュージーランド出身の俳優、ラッセル・クロウ55歳の誕生日というところから、テーマは「ラッセル・クロウ」。
①『グラディエーター』(2000年・米)
第73回アカデミー賞で作品賞、そして、ラッセル・クロウは主演男優賞を受賞しています。
ローマ時代の壮大な歴史作品。ローマ好き、『ベン・ハー』好きな私にとっては、非常にワクワクする作品でした。
誰も目にしたことがないその時代や人間の熱さを感じるうえで、
演者のリアリティというのは欠かせないと思いますが、ラッセル・クロウはローマの将軍そのもの。
体の大きさ、クビの太さ、艶、そして、強さ…どんなセットより、CG効果より、コロッセオの歓声より、何よりも、
ラッセル・クロウの姿が「ローマ」を体現しています。
そして、そのラッセル・クロウ演じるマキシマスのオーラに、胸を鷲掴みにされます。
人望が厚く、時の皇帝に見初められたことから、皇帝の息子に恨まれ、命を狙われた挙句、奴隷になってしまうマキシマス。
それでも、徐々に、周りの人間がマキシマスの本物たるゆえんを知り敬意を払うようになっていく。昔の部下も集結していく。
マキシマスという男の強い信念が周りを動かしていきます。
一方で、20年ぶりくらいに観てみて、マキシマスを陥れた新しい皇帝・コモドゥスの哀しみというものも、非常に沁みました。
権力を手にしても、帝国を統治する知恵と人望を持っていない。抗えば抗うほど、事態が自分に不利になっていく。
嫌な奴といったらそれまでなんですが、悲しい人です。
ラッセル・クロウがローマ人になりきっている所で、もう半分勝負ありというくらい、すごい存在感を堪能しました。
②『インサイダー』(2000年・米)
アメリカ公開は1999年ですが、日本公開は2000年の5月、先ほどの『グラディエーター』の公開が2000年の6月、
同じ人かよ!?というほど、内部告発をしたことで追い詰められている男から、ローマの将軍へのふり幅が半端ないラッセル・クロウです。
こちらの『インサイダー』の演技では、アカデミー賞主演男優賞・ノミネートにとどまっていますが、
『インサイダー』の演技もすごいです。
ラッセル・クロウが演じるのは、勤めていたタバコメーカーの不正を社内で意見したことで、「コミュニケーション能力が不足している」という理由で解雇されるワイガンドという、実在の男性です。怖いのは、ラッセル・クロウは内部告発者として暴露する側の立場であったのに、脅され、追い詰められ、自身の過去やプライバシーが逆に暴かれていくというところ。真実が、ありとあらゆる方法で握りつぶされようとされます。
彼は、正義を貫こうと決心するんだけれど、そのせいで家族は不幸になっていく、この矛盾を埋められぬまま疲弊していく様子に、この人はどうなってしまうんだろうかと、非常にドキドキしました。
このワイガンドの証言を番組で放送し、たばこ業界の闇を暴こうと考えるのが、アルパチーノ演じるテレビプロデューサーのローウェル・バーグマン。
情報提供者のことは何があっても守るというバーグマンはめちゃくちゃかっこいいです。後半は、たばこ業界の闇から、テレビ業界の闇へと話が移行し、アルパチーノ自身が今度は「インサイダー」となっていきます。バーグマンの番組のテレビキャスターも、すっごく良くて、結構こういうマスコミものは好きだなぁと思います。
真実や正義というものと権力は常に相反するところにあり、正義を貫こうと思う者が心身を疲弊していく、正義が勝つ世の中が良いですね。
by michi1223kuma
| 2019-04-07 20:00
| 映画