2019年 02月 24日
CINEMA UP 177~テーマ:アカデミー賞受賞作品『ビューティフル・マインド』『英国王のスピーチ』 |
FM PORTにて、毎週日曜午後7時~放送中の『中越グループPAN UP』内、「CINEMA UP」でご紹介した映画のあれこれ。
第91回アカデミー賞授賞式が、日本時間で放送翌日の2月25日というところから、テーマは『アカデミー賞受賞作品』。
①『ビューティフル・マインド』(2001年・米)
第74回アカデミー賞では、作品賞・監督賞・助演女優賞・脚色賞を受賞しています。
実在した数学者、ジョン・ナッシュの人生を描いています。特殊な才能を持った人が統合失調症で苦しむというのは、同じアカデミー関連作品では、『シャイン』がそうで、あの作品はではアカデミー・主演男優賞を、ジェフリー・ラッシュが受賞しています。
特殊な能力を持っているけれど、一方で、人と交わることが苦手…というジョンを、妻はとても愛していて、理解をしている。でも、彼の病気が進行していく中で、それを愛でカバーできるかというと、それは不可能である…。妻・アリシアが、どうこの現実と向き合えばよいのか、どう上手く折り合っていこうかと悩む様子がとても深く描かれています。
アリシアを演じているのは、ジェニファー・コネリーです。美しい人が苦しむ姿に、観ている方も胸がキリキリします。家族のことで不安に思うことがあるときに見ると、ちょっとしんどいかも知れないな、というくらい、素晴らしい演技の力です。
主人公・ジョンを演じるのは、ラッセル・クロウ。彼は、この前年に『グラディエーター』でアカデミー主演男優賞を受賞しています。『グラディエーター』は作品賞もとっていますから、立て続けにアカデミー賞で作品賞を受賞した映画に主演している男優となります。
ローマ時代のムキムキの将軍から、人と話すのが苦手な数学者、すごい演技の幅です。
『ビューティフル・マインド』では、とても苦しい時間を長く過ごしたジョンですが、妻はもちろん、最後、助けてくれる人がいたことに、ウルっとしました。多くのものは持っていなくても、心穏やかに、自分らしく生きられているなら、そのことに感謝しなくてはいけないなと思う作品でした。
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②『英国王のスピーチ』(2010年 英・豪)
第83回アカデミー賞で、作品賞・主演男優賞・監督賞・脚色賞を受賞しています。
久しぶりに観ましたが、改めて素晴らしい作品だなと思います。「吃音症」言葉がスムーズに出ないイギリス国王・ジョージ6世と、彼の言語をトレーニングしたオーストラリア出身の言語療法士の物語です。
言葉によるリーダーシップの重要性というのは今の時代も変わらずで、今は言葉だけでなくSNSをうまく活用するリーダーが好まれたりもしますよね。第二次世界大戦前のイギリスが舞台ですが、冒頭の方のセリフで、「昔の国王は馬にまたがっていればそれでよかったが、今は国民の機嫌を取らなくてはならない」というのがありました。
力強いスピーチで国民の心を掌握するリーダーが求めらていれる。ドイツでは言葉の力を持つヒトラーがその勢力を大きくしている。その時代のイギリス国王候補が「吃音症」だという実話です。
言語療法士のライオネル・ローグが、ジョージの人生を紐解きながら、彼の言葉をトレーニングしていきます。ジョージに対しても遠慮なく指導していくので、二人は何度も衝突しますが、ローグが強気のまま諦めないのは、ジョージに国王としての資質があると確信しているから、彼は出来ると信じているから。そう思ってくれる人が居ることで、ジョージ自身も、拠り所を得ていくんですね。
ジョージを演じているのは、コリン・ファースです。言葉が上手く出て来ない様子、苛立つ姿、一方、妻を信頼し、娘たちの前では自然体、家族にはとても恵まれている、一人の人間の色んな顔が映し出されています。
ライオネル・ローグを演じているのは、『シャイン』でアカデミー・主演男優賞を獲得したオーストラリア出身のジェフリー・ラッシュ、私はこの方好きなんですが、今回も、その声の良さが言葉を教える人として、とても輝いています。
ローグがジョージに強く求めたのは、本当の自分に向き合うこと。これは、私たちにも当てはまることで、コンプレックスそのものに囚われているうちは進歩はないのかもしれないけれど、自分の人生に何かしら決着をつけることに、飛躍のチャンスが潜んでいるのかもしれません。ラストシーンは感動的です。
第91回アカデミー賞授賞式が、日本時間で放送翌日の2月25日というところから、テーマは『アカデミー賞受賞作品』。
①『ビューティフル・マインド』(2001年・米)
第74回アカデミー賞では、作品賞・監督賞・助演女優賞・脚色賞を受賞しています。
実在した数学者、ジョン・ナッシュの人生を描いています。特殊な才能を持った人が統合失調症で苦しむというのは、同じアカデミー関連作品では、『シャイン』がそうで、あの作品はではアカデミー・主演男優賞を、ジェフリー・ラッシュが受賞しています。
特殊な能力を持っているけれど、一方で、人と交わることが苦手…というジョンを、妻はとても愛していて、理解をしている。でも、彼の病気が進行していく中で、それを愛でカバーできるかというと、それは不可能である…。妻・アリシアが、どうこの現実と向き合えばよいのか、どう上手く折り合っていこうかと悩む様子がとても深く描かれています。
アリシアを演じているのは、ジェニファー・コネリーです。美しい人が苦しむ姿に、観ている方も胸がキリキリします。家族のことで不安に思うことがあるときに見ると、ちょっとしんどいかも知れないな、というくらい、素晴らしい演技の力です。
主人公・ジョンを演じるのは、ラッセル・クロウ。彼は、この前年に『グラディエーター』でアカデミー主演男優賞を受賞しています。『グラディエーター』は作品賞もとっていますから、立て続けにアカデミー賞で作品賞を受賞した映画に主演している男優となります。
ローマ時代のムキムキの将軍から、人と話すのが苦手な数学者、すごい演技の幅です。
『ビューティフル・マインド』では、とても苦しい時間を長く過ごしたジョンですが、妻はもちろん、最後、助けてくれる人がいたことに、ウルっとしました。多くのものは持っていなくても、心穏やかに、自分らしく生きられているなら、そのことに感謝しなくてはいけないなと思う作品でした。
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②『英国王のスピーチ』(2010年 英・豪)
第83回アカデミー賞で、作品賞・主演男優賞・監督賞・脚色賞を受賞しています。
久しぶりに観ましたが、改めて素晴らしい作品だなと思います。「吃音症」言葉がスムーズに出ないイギリス国王・ジョージ6世と、彼の言語をトレーニングしたオーストラリア出身の言語療法士の物語です。
言葉によるリーダーシップの重要性というのは今の時代も変わらずで、今は言葉だけでなくSNSをうまく活用するリーダーが好まれたりもしますよね。第二次世界大戦前のイギリスが舞台ですが、冒頭の方のセリフで、「昔の国王は馬にまたがっていればそれでよかったが、今は国民の機嫌を取らなくてはならない」というのがありました。
力強いスピーチで国民の心を掌握するリーダーが求めらていれる。ドイツでは言葉の力を持つヒトラーがその勢力を大きくしている。その時代のイギリス国王候補が「吃音症」だという実話です。
言語療法士のライオネル・ローグが、ジョージの人生を紐解きながら、彼の言葉をトレーニングしていきます。ジョージに対しても遠慮なく指導していくので、二人は何度も衝突しますが、ローグが強気のまま諦めないのは、ジョージに国王としての資質があると確信しているから、彼は出来ると信じているから。そう思ってくれる人が居ることで、ジョージ自身も、拠り所を得ていくんですね。
ジョージを演じているのは、コリン・ファースです。言葉が上手く出て来ない様子、苛立つ姿、一方、妻を信頼し、娘たちの前では自然体、家族にはとても恵まれている、一人の人間の色んな顔が映し出されています。
ライオネル・ローグを演じているのは、『シャイン』でアカデミー・主演男優賞を獲得したオーストラリア出身のジェフリー・ラッシュ、私はこの方好きなんですが、今回も、その声の良さが言葉を教える人として、とても輝いています。
ローグがジョージに強く求めたのは、本当の自分に向き合うこと。これは、私たちにも当てはまることで、コンプレックスそのものに囚われているうちは進歩はないのかもしれないけれど、自分の人生に何かしら決着をつけることに、飛躍のチャンスが潜んでいるのかもしれません。ラストシーンは感動的です。
by michi1223kuma
| 2019-02-24 20:00
| 映画