2018年 11月 18日
CINEMA UP 164~テーマ:人気者『オーシャンズ11』『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』 |
FM PORTにて、毎週日曜午後7時~放送中の『中越グループPAN UP』内、
「CINEMA UP」で紹介した映画についてのアレコレ。
放送日の11月18日はミッキーマウスの誕生日、という所から、テーマは「人気者」。
①『オーシャンズ11』(2011・米)
久しぶりに観ましたが、人気者の集まりという意味では、この作品は最高峰かと思います。先日ご紹介して、とっても良かった『エリン・ブロコビッチ』のスティーブン・ソダーバーグ監督作品です。
ただスターを集めただけではなく、スターの集合を効果的に見せるという点では、冒頭、ジョージ・クルーニーからワイプを切って場面転換して、すぐにブラッド・ピットという場面、この2トップの見せ方なんかは最高でした。そのほか演出では、サーカス団からスカウトした中国人のイエンの役割だったり、ガスの入った風船を監視カメラの目隠しにするとか、うんうん、そうそう、っていうワクワク感など、さすが人気作というところです。
正直、金庫を破ったから何?という…ストーリーに何がある!ではなく、「これでもか」と人気スターを見せる、それぞれのオーラを感じる、マット・デイモンはやっぱり賢そうだな、なんてことを考えられてしまう余裕のある作り、かっこよく流れるテーマ…オールスターゲームのような大人の遊びが楽しかったです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
②『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』(2009・英)
今回初めて観ましたが、素晴らしかったです。自分の環境に悩んでいる若い人がいたら(若くなくても良いけど)ぜひお勧めしたいです。
□ジョン・レノン エピソード0
私自身、ビートルズについて深くは知りません。メンバーや有名な楽曲は知っていますが、身近な話では、子供のころ、母親が、ビートルズが来日した時のフィーバーについて、よく語っていたことが印象深く、世代としてはちょっと遠いです。が、そんな人でもみんな知っている、世界を熱狂させたビートルズ結成前の「ジョン・レノン~エピソード0」的な作品です。
□ジョン・レノンの感受性
ビートルズ結成前のジョン・レノン。彼の感受性の根底には、こういうことがあったのか、ということが痛いほど伝わってきます。とても苦しかったと思うんです。二人の母親の間に立った苦しみ、また、ようやく、生みの母親の愛情を一心に受けられると思っていたときに、嫉妬から関係をややこしくしてしまう不安定さ。親子愛がすごく複雑な方向に進んでしまいます。
□2人の母
この作品のすごいところは、そのジョンの苦悩だけでなく、2人の女性(産みの母と育ての母であるおば)・・・この2人の心情を、想像の余地を残しながらも平等に描いている点です。この女性の心理っていうのは生々しいし、プライドや愛し方の違いがぶつかるシーンは、息を飲みほどでした。リアルな女の心を描いているという意味でもかなり価値のある作品だなと思っていたら、やはり監督は写真家でもあるサム・テイラー=ウッド、女性でした。
□感受性ってやつは
出生や家族のことで悩んでいるとか、自分のアイデンティティについて苦しんでいるとか、そういう人が見たら、すごく救われると思います。大変な状況にあったのしても、足元に広がるのは自分の人生だということ、そして、悩み苦しんだことで磨かれる感性というものがあって、それは、安穏と暮らしてきた人間には到底手に入れることが出来ないものだということを教えてくれるはずです。
「CINEMA UP」で紹介した映画についてのアレコレ。
放送日の11月18日はミッキーマウスの誕生日、という所から、テーマは「人気者」。
①『オーシャンズ11』(2011・米)
久しぶりに観ましたが、人気者の集まりという意味では、この作品は最高峰かと思います。先日ご紹介して、とっても良かった『エリン・ブロコビッチ』のスティーブン・ソダーバーグ監督作品です。
ただスターを集めただけではなく、スターの集合を効果的に見せるという点では、冒頭、ジョージ・クルーニーからワイプを切って場面転換して、すぐにブラッド・ピットという場面、この2トップの見せ方なんかは最高でした。そのほか演出では、サーカス団からスカウトした中国人のイエンの役割だったり、ガスの入った風船を監視カメラの目隠しにするとか、うんうん、そうそう、っていうワクワク感など、さすが人気作というところです。
正直、金庫を破ったから何?という…ストーリーに何がある!ではなく、「これでもか」と人気スターを見せる、それぞれのオーラを感じる、マット・デイモンはやっぱり賢そうだな、なんてことを考えられてしまう余裕のある作り、かっこよく流れるテーマ…オールスターゲームのような大人の遊びが楽しかったです。
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②『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』(2009・英)
今回初めて観ましたが、素晴らしかったです。自分の環境に悩んでいる若い人がいたら(若くなくても良いけど)ぜひお勧めしたいです。
□ジョン・レノン エピソード0
私自身、ビートルズについて深くは知りません。メンバーや有名な楽曲は知っていますが、身近な話では、子供のころ、母親が、ビートルズが来日した時のフィーバーについて、よく語っていたことが印象深く、世代としてはちょっと遠いです。が、そんな人でもみんな知っている、世界を熱狂させたビートルズ結成前の「ジョン・レノン~エピソード0」的な作品です。
□ジョン・レノンの感受性
ビートルズ結成前のジョン・レノン。彼の感受性の根底には、こういうことがあったのか、ということが痛いほど伝わってきます。とても苦しかったと思うんです。二人の母親の間に立った苦しみ、また、ようやく、生みの母親の愛情を一心に受けられると思っていたときに、嫉妬から関係をややこしくしてしまう不安定さ。親子愛がすごく複雑な方向に進んでしまいます。
□2人の母
この作品のすごいところは、そのジョンの苦悩だけでなく、2人の女性(産みの母と育ての母であるおば)・・・この2人の心情を、想像の余地を残しながらも平等に描いている点です。この女性の心理っていうのは生々しいし、プライドや愛し方の違いがぶつかるシーンは、息を飲みほどでした。リアルな女の心を描いているという意味でもかなり価値のある作品だなと思っていたら、やはり監督は写真家でもあるサム・テイラー=ウッド、女性でした。
□感受性ってやつは
出生や家族のことで悩んでいるとか、自分のアイデンティティについて苦しんでいるとか、そういう人が見たら、すごく救われると思います。大変な状況にあったのしても、足元に広がるのは自分の人生だということ、そして、悩み苦しんだことで磨かれる感性というものがあって、それは、安穏と暮らしてきた人間には到底手に入れることが出来ないものだということを教えてくれるはずです。
by michi1223kuma
| 2018-11-18 20:00
| 映画