2016年 08月 07日
CINEMA UP 45 ~テーマ:ブラジル『トラッシュ!‐この街が輝く日まで‐』『未来世紀ブラジル』 |
『トラッシュ!‐この街が輝く日まで‐』(2014)
ブラジルは貧富の差が激しい国、ということを受けても、実際のブラジルと映画で描かれる世界がどこまで近いのか・・・、
その部分は想像の域を出ない部分もありましたが、ゴミ山で何がお金になりそうなものを探して生きている、或いは、地下のドブ川で生きている、そんな男の子3人組が主人公です。
貧しい暮らしの中で、自分たちにはまともな未来が無いことを自覚している。その諦めからか、どこか大人びた雰囲気もありつつ、瑞々しさもあって、愛おしい少年たちでした。
こちら2014年の作品で、映画の最後の部分に、
「オリンピック」「ワールドカップ」
という単語が出てきます。
こうした国際大会の開催を前に、反対デモなども大々的に行われたブラジル。
世界的大イベントが、貧しい人たちにとってはどういうものなのか、恩恵とは程遠い所にいるんだろうか、改めて考える部分もありました。
途中、彼らが謎を解いていくシーンはエンターテインメント性があり、とても面白かったです。
『未来世紀ブラジル』(1985)
お好きな方はお好きだと思います。
私は今回初めて見て、物凄く衝撃を受けました。
それで、この作品の話をFM PORTのフロアでしていたら、その場にいた何人かのうちの2人は、
「サントラ持ってます!」
と話していて、
好きな人は好きなんだなーというのを実感しました。私もかなり好きです。
1985年の作品です。
20世紀のどこかの国の未来を描いているのですが、
その世界観があまりに斬新で、21世紀の今にも無いものばかり。映像は古いのに、未来感がたっぷりです。
特に、主人公サムの妄想シーンは、ビジュアル的に驚かされるものがあります。
サムの母親は、若返りに命を懸けているんですが、その様子やファッションもド肝を抜かれました。
さて、20世紀のどこかの国の未来を描き、どうしてタイトルが『未来世紀ブラジル』なのか。はたまた原題は『ブラジル』なのか。
映画評論家の町田智浩さんの著者『ブレードランナー未来世紀』という本に、詳しく書かれているようなのですが、
ここでひとまず言えるのは、本編でかなりの回数、「ブラジルの水彩画」という曲が使われていること。その一点のみで、実際、ブラジルという国に言及するようなものはありません。そんな意味不明な感じさえ魅力です。
この未来の国では情報統制という恐ろしい制度が敷かれています。でも、そこに滑稽さがあることで、(むしろ、滑稽さしかないことで、)風刺の力が効いている。
ダメなことをダメというよりも、
面白さを持って表現することにより力があり、それこそが映画だ、ということを思いました。
最後の最後も救いがありませんが、そのインパクトを持って、ようやく、この“怖いけれど忘れられない魅惑の世界”から開放される感覚を味わえる。そして、席を立てる。
公開当時、映画館で観た人たちが羨ましい!そんな、唯一無二の作品でした。
ブラジルは貧富の差が激しい国、ということを受けても、実際のブラジルと映画で描かれる世界がどこまで近いのか・・・、
その部分は想像の域を出ない部分もありましたが、ゴミ山で何がお金になりそうなものを探して生きている、或いは、地下のドブ川で生きている、そんな男の子3人組が主人公です。
貧しい暮らしの中で、自分たちにはまともな未来が無いことを自覚している。その諦めからか、どこか大人びた雰囲気もありつつ、瑞々しさもあって、愛おしい少年たちでした。
こちら2014年の作品で、映画の最後の部分に、
「オリンピック」「ワールドカップ」
という単語が出てきます。
こうした国際大会の開催を前に、反対デモなども大々的に行われたブラジル。
世界的大イベントが、貧しい人たちにとってはどういうものなのか、恩恵とは程遠い所にいるんだろうか、改めて考える部分もありました。
途中、彼らが謎を解いていくシーンはエンターテインメント性があり、とても面白かったです。
『未来世紀ブラジル』(1985)
お好きな方はお好きだと思います。
私は今回初めて見て、物凄く衝撃を受けました。
それで、この作品の話をFM PORTのフロアでしていたら、その場にいた何人かのうちの2人は、
「サントラ持ってます!」
と話していて、
好きな人は好きなんだなーというのを実感しました。私もかなり好きです。
1985年の作品です。
20世紀のどこかの国の未来を描いているのですが、
その世界観があまりに斬新で、21世紀の今にも無いものばかり。映像は古いのに、未来感がたっぷりです。
特に、主人公サムの妄想シーンは、ビジュアル的に驚かされるものがあります。
サムの母親は、若返りに命を懸けているんですが、その様子やファッションもド肝を抜かれました。
さて、20世紀のどこかの国の未来を描き、どうしてタイトルが『未来世紀ブラジル』なのか。はたまた原題は『ブラジル』なのか。
映画評論家の町田智浩さんの著者『ブレードランナー未来世紀』という本に、詳しく書かれているようなのですが、
ここでひとまず言えるのは、本編でかなりの回数、「ブラジルの水彩画」という曲が使われていること。その一点のみで、実際、ブラジルという国に言及するようなものはありません。そんな意味不明な感じさえ魅力です。
この未来の国では情報統制という恐ろしい制度が敷かれています。でも、そこに滑稽さがあることで、(むしろ、滑稽さしかないことで、)風刺の力が効いている。
ダメなことをダメというよりも、
面白さを持って表現することにより力があり、それこそが映画だ、ということを思いました。
最後の最後も救いがありませんが、そのインパクトを持って、ようやく、この“怖いけれど忘れられない魅惑の世界”から開放される感覚を味わえる。そして、席を立てる。
公開当時、映画館で観た人たちが羨ましい!そんな、唯一無二の作品でした。
by michi1223kuma
| 2016-08-07 19:59
| 映画